社内コミュニケーションが組織を活性化させる。後編

●社内報の作り方

前編でも述べましたが、まず一番大事なのは「目的を明確にすること」、そしてその目的のために「どのような働きかけ」を「誰から」発信するかがとても重要です。

このような図の流れが把握できれば、次は「特に何を強く伝えようとするのか」を決定します。

例えば、「帰属意識を高める」をいう目的で作成すると・・・
「帰属意識を高めるために何を伝えればよいか?」を考え、具体的な企画を出し、それらをどれくらいの期間を使って伝えていくのかを決定します。

例)
期間:1年間(発行は4回:3ヶ月毎)
(具体的な企画)
•    会社の歴史(物語風)・・・創業、発展、危機、未来などの物語として連載
•    会社の事業内容・・・まずは自社のことを知る、しっかり伝える
•    社長から社員へのメッセージ・・・社長の社員への想い、仕事への思いを語る。トップダウン
•    既存社員紹介・・・ヨコのつながりを強化
•    新卒社員紹介・・・新しい仲間の紹介
•    誕生日、結婚等のお祝い事・・・コミュニケーションの活性化
•    社内報プロジェクトチームの募集・・・ヨコ・ナナメのつながり、部門を越えて一体感を生む
•    コラム(交代制で行う)・・・社員からの発信。ボトムアップ

今回私がお手伝いをしている企業様では、第1回目の発行に、
①    会社の歴史(創業時代~)
②    自社の事業内容
③    社長から社員へのメッセージ
④    各店店長の紹介
⑤    新入社員の紹介
を8ページで作成することにしました。

会社の歴史、事業内容を伝えることで帰属意識を高め、なかなか直接話す機会のない経営者からのメッセージ(今後のビジョンや社員への想い)をこの場で伝えます。
そして読みたくなる工夫として、社員紹介ページをたっぷり設けることにしました。
具体的に店長紹介ページでは、顔写真・年齢・趣味・一言(意気込みや目標など)を掲載します。今後も社員紹介はシリーズ化して、主任やリーダー、一般社員の紹介も行う予定です。
同じ会社で働いている人がどんな人なのか気になるものです。チェーン展開している企業では、A店とB店の社員は顔も知らない同士、ということがほとんどではないでしょうか。社内報を読むことで、仲間を知り、つながりを感じることができます。
そして知っている人でも、あの人にこんな趣味があったのか!など、楽しんで読めるコンテンツになっていることが大切です。

この企業様では、今後、第2回目、第3回目、第4回目と継続して自社の歴史、新入社員の紹介、社員の誕生日や結婚のお祝い、イベント、ニュースなどを掲載していく予定です。
そして現在は私と経営者の方とで作成を進めていますが、今後は、各店から社内報プロジェクトチームを募集し社員に任せていき、店舗を越えたヨコのつながりを強化していくことを目標にしています。

社内報で大切なことは、「共感」してもらうことです。
そこで最後に、この「共感」を生むための戦略的な発信方法をお伝えします。
「共感」を与えるためには2つのアプローチ方法があります。それは左脳的アプローチと右脳的アプローチといわれるもので左脳的アプローチを「知」、右脳的アプローチを「情」と表現します。

・「知」へのアプローチ

これは「理解」によって共感を促す方法です。重要な事柄を徹底的に知らしめ、十分な理解によって共感を得るものです。例えば、新規事業や今後の会社のビジョンにおいて事細かく深堀した情報を提供します。それによって社員の理解が深まり、納得感を得ることが出来ればそれらの事業やビジョンに対する共感が生まれてきます。これが深い理解によって共感を生み出す「知」へのアプローチです。

・「情」へのアプローチ

これは「ゆらぎ」と「気づき」を与えることによって共感を促す方法です。社員に考えてもらいたいことや意識してもらいたいことを「問題提起」というスタイルで提示。例えば「あなたは本当に今の仕事が好きですか?」と問いかけます。この問いかけによって、社員は自分の仕事や会社における自分の役割などを考えるようになります。さらには、会社のことについても考えるようになり、会社の強みや新たな魅力を発見する可能性が高くなります。つまり、「ゆらぎ」を与えることによって、これまで見逃していたこと、知らなかったことへの「気づき」を促し、共感を得やすい方向へと社員の意識を導いていくのです。

「社内報・入門編」をお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。
社内報は、比較的低コストで作成可能であるものの、しっかりとした目的を持ち内容に工夫を凝らすことで、予想以上の効果を発揮するツールであると言えます。
社内報に関する書籍も多々出版されていますので、参考にして作成にチャレンジしてみてください。

*参考書籍:「組織と人を活性化するインナーコミュニケーションと社内報」(産業編集センター編著)

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