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キスケ株式会社、山路大助専務取締役 TOPから学ぶ

キスケ株式会社、山路大助専務取締役

山路大助/キスケ株式会社 専務取締役。1983年生まれ。筑波大学卒業後、キスケ株式会社入社。PAOの屋号で愛媛県内に8店舗を展開。カラオケ、ボウリング、マージャン、温泉などのレジャー施設の運営、不動産事業も行っている。

前回のインタビューから約3年が経ちましたが、ここ数年で変わったと感じることはありますか?

前回のインタビュー記事(2014/9/22)

いろんなことを任せられる人が増えてきました。新卒採用も次の世代にバトンタッチすることができるようになり、代替わりしました。店舗の店長も半数が代替わりしましたね。

こうした世代交代のきっかけは4年程前から始めた新卒採用です。それまでは中途採用が中心だったので気づかなかったのですが、現場からの意見が通らない風通しの悪い企業になりかけていました。若手の意見が反映されにくいとやりがいも感じづらく、そのような組織では会社は発展しません。

そこで、役職者だけでなく一般社員も参加する全体会議を設け、自社ブランドの一般景品企画プロジェクトを行いました。自分の意見が形で結果に表れるのでやりがいを感じているようでした。こうしたことの積み重ねによって成長し、仕事を任せられる社員が増えてきました。

それから印象深かったのは、初めて社員を降格したことです。適性に評価し、意欲と能力のある人にはチャンスを与えたいですし、組織づくりにおいてスクラップ・アンド・ビルドは必要だと考えての人事です。

ただ、上司部下の関係が変わるわけですし、お互いやりづらさもあると思います。降格した方の社員が辞めてしまうのではないかとかなり迷いましたが、結果的に辞めずに残ってがんばってくれていて、本当によかったです。

このときの人事では、社長をはじめ、部下にも助けられました。私はよく優しすぎると言われます。私が言いにくいことを部下が代わりに言ってくれることもあり、助かっています。私に厳しい意見をくれて、会社を良くしていきたいという思いを持っている部下がいることは本当にありがたいです。以前よりこういった会社好きな部下が増えてきました。

「信頼できる部下が増えてきた」とのことですが、組織づくりにおいてはどんなことに工夫されていますか?

お互いのことを知ることでしょうか。営業も採用も教育も様々なことを一緒にやっているので、部下と過ごす時間が長いです。ですからお互いのことをよくわかっていて、信頼関係もできているのではないかと思います。

その他にも当社では、コミュニケーションを取れる機会がいろいろあります。ソフトボール、ゴルフ、ロードバイクなどスポーツのサークルもあります。私もロードバイクのサークルに入って一緒に練習したりしています。

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山路専務も参加するロードバイクサークルの活動

「モーニング山路」というイベントも月に2回開催しています。パンを買って来て、朝8時から1時間くらい、会議室に集まってみんなで食べながら話をするというものです。仕事の話ばかりではなく、日常会話で終わることもありますし、気軽に誰でも参加できるようにしています。

元々は月に1回でしたが、好評なので月に2回にしました。社員と飲みに行くこともあるのですが、「飲みに行くのはちょっと…」という人もいるので、多くの人に参加してもらえるように朝の時間のイベントを開催しています。

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誰でも気軽に参加できる「モーニング山路」

コミュニケーションを大切にしようと考えたきっかけはありますか?

私は社長の息子として入社して、最初はなんとなくやりづらかったんです。特別何か嫌な思いをするといったことはないのですが、自分も相手もお互い気を遣っているような感じがあって、壁があるように感じていました。

私より年齢も社歴も上の方が多いので敬意を払いながらも私の立場上、言うべきことを言わなければいけないこともあります。そこに難しさを感じていました。

ですがここ数年で自分らしいマネジメントの仕方というのが徐々に見えてきました。私はあまり経営者と社員という壁を作らず、みんなと仲良くなって仕事を進める方が好きなんですね。その方がコミュニケーションも取りやすいし私自身も楽しいですし。そういう雰囲気が好きなんです。

今は私も比較的動けますし、社員と一緒にイベントを開催したり、食事に行ったり、サークル活動に参加したり、そういったことをどんどん続けようかなと思っています。経営者と社員の距離が近いことは会社の魅力のひとつでもあると思います。

4年程前から新卒採用をされていますが、現状はどうですか?

17卒採用はスケジュールが変更になったこともあり苦戦しましたが、18卒採用は順調に来ていますね。

新卒採用を始めた最初の頃は、まずは採用できたことが嬉しかったのですが、3年目くらいから採用活動自体の質が上がってきたと感じます。ただ、やはり「仕事がきつそう」「怖い人がいそう」という学生もいますし、まだまだ伝え方など工夫の余地はあるなと思います。

そんな中で、入社してくれる社員に対してはきちんと育てなければいけないと責任感を感じます。家族に反対されたけれど自分の意志で入社してくれる社員もいるので、「入社してよかったね」と家族に言ってもらえる会社にならなければとも思います。新卒採用はやればやる程、会社をもっとよくしたいという思いが強くなります

新卒採用にはどのような関わり方をされているのでしょうか?

新卒採用チームは私を含め5名で活動しています。それぞれが役割を持って、話し合いながら採用活動を進めています。

以前は私が全ての選考を行っていましたが、今はメンバーに任せられるようになってきたので最終面接だけです。会社説明会には私も出て話をしています。経営者が会社説明会で話すことでの学生への魅力付けとしてはもちろん、私自身学生と話をすることで様々な刺激をもらえるので続けています。

というのも、学生程素直に会社の評価をしてくれる存在は他にはいないからです。とても素直に話を聞いてくれますし、感じたことを素直に言ってくれて、質問もしてくれます。学生との会話からは、学生自身の価値観や、若い世代のトレンド、学生から見た会社のイメージなどを知ることができます。

採用活動にももちろん、経営においてもヒントを得られることがあり、いい刺激になっています。時にはグサっとくるようなことも言われるのですが…(笑)。でもやはり若い人と話すのは楽しいです。新卒採用はチームのみんなと協力し合いながら、楽しむことを大切に進めています。

新卒採用活動では学生との会話以外に、どんなことに楽しさを感じますか?

楽しいと感じることはいろいろとあるのですが、内定者フォローにおいても自分たちも楽しむということ意識しながら工夫しています。

今は売り手市場が続いていて、内定辞退も多いです。当社でも内定者フォローは月に一回程行っているのですが、飲み会やBBQなどありきたりなものではなく、内定者が来たいと思えるイベントをしたいねという話をしていました。

そんなときに、からあげクンの食べ放題のイベントが開催されたというニュースを見て、おもしろそうだなと思ったんですね。不動産事業で土地を貸しているコンビニのオーナーに連絡して、からあげクン1000個用意してもらって開催しました。見た目のインパクトもあるし、内定者に好評でした。主催している私たちも楽しかったですよ(笑)。

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からあげクンイベント

そば打ち内定者懇親会

新卒採用ではどんな魅力を学生に伝えているのでしょうか?

風通しのよい社風は学生にとっても魅力だと思います。誰もが自分の意見を発信でき、自分のやりたいことをやれるチャンスがあることを伝えています。

それから多角的な事業展開についても伝えています。当社はパチンコ、アミューズメント、不動産の3つの部門があり、この3つの柱が他社との違いであり、当社の強みです。

パチンコ店でホールスタッフとして働くのは、年齢を重ねる毎に体力的に難しくなってきます。当社の場合は不動産部門もありますし、アミューズメント部門ではボウリング場や天然温泉、カラオケ、麻雀など幅広く運営しているので、他の事業でまた活躍してもらえるチャンスがあります。3つの柱があることは、会社経営としても、働き方としても安定性があることは強みだと思います。

御社では新卒採用においてどんな人を採用したいと考えられていますか?

自分で考えて動ける人です。当社は自分で動ける人にはすごく楽しい会社だと思います。私は社員の意見をまずは聞いて、きちんと理由があれば社員がやりたいということにあまり「ノー」は言いません。

実は、以前の私はどちらかというと保守的でした。入社から3、4年経った頃から、「とりあえずやってみること、ダメならやめればいい」という考えになっていきました。そのきっかけになったのは低玉貸営業を始めたことです。

当社は低玉貸には否定的だったのですが、徐々に低玉貸営業店舗が増えていくにつれ、稼働が下がってしまいました。そんなときにコンサルタントとして来て頂いていた方に「低玉貸をやるべきだ」とアドバイスされました。社内からは反対の声もありましたが、実際にやってみたら稼働がよくなっていきました。

こうした経験から、まずはやってみることの大切さを学びました。ですから社員にもやりたいことをやらせてみるようにしています。誰かに指示されるよりも自分から言い出してやったことの方が責任感も持てます。うまくいったらやりがいも大きいですし、うまくいかなかったとしても、経験は残ります。ずうずうしいくらいに自分の意見を主張できる人の方が当社には合っているのではと思います。

それからもうひとつは、私たちのことを好きになってくれる人です。選考で何度か会っただけでは、会社自体を好きになるのは難しいと思います。でも、「○○さんに憧れている」とったように、会社の人を好きになることはあると思います。一緒に働く人は大切ですし、私たちと相性が合うと思ってくれるなら、会社の風土にもなじめるのではないかと思います。

最後に今後取り組みたいことについてお伺いできますか?

パチンコホールに限らず、新店を出したいです。先日も不動産部門の方で新しいビルの竣工式があり、東京に行ったのですが、やはり新しいことはわくわくしますよね。新しい取り組みをすることで、チャンスも生まれます。やはりそうしないと組織は活性化しないと思います。

また、これも組織の活性化を目的としているのですが、採用・育成・営業・評価・賃金を改革しようと動いています。採用・育成・営業に関しては変わってきたので、次は評価と賃金です。プロジェクトチームを発足して話し合いを進めています。

それと、私が育休を取ることも目標です。今、待機児童が問題になっていますよね。当社でも復職はしたいが近所に保育園の空きががなくて復職が難しい社員がいて、なんとかできないかと考えています。保育園の問題は弊社だけの解決はすぐには難しいですが、まずは男性でも育児休暇を取りやすい雰囲気を作りたいと思っています。まだ当社では育児休暇を申請した男性社員は少ないので、私自身が休暇を取って前例を増やしたいと思っています。

ありがとうございました!