
今週のパック・エックス通信は、株式会社ジェックの清水社長です。小さい頃からいずれ経営者になりたいと考えていたという清水社長。
前編では、パチンコホール事業を始めた当初のお話を伺いました。

清水 龍在 氏
株式会社ジェック
代表取締役 CEO
大学卒業後、起業を見据えて複数の仕事を経験し、2005年に独立。2011年にパチンコホール事業を開始。現在は宮城県と岩手県でパチンコホール2店舗を経営する。
―清水社長本日はよろしくお願いします。まずはパチンコホールを経営するまでのご経歴を伺えますか?
私の親は経営者で、親戚にも経営者が多かったので、小さい頃からいずれ自分も経営者になるのだろうと思っていました。
大学卒業後は、経営者になるための勉強だと考え、いくつかの仕事を経験しました。
雇用される側だとしても、常に経営者の視点で考えるということをしていました。その頃に短い期間ですが、パチンコホールでスタッフとして働いたこともあります。
起業したのは2005年のことです。
弟と共同で立ち上げた会社でした。とにかくまずは経営をしたいという想いを先行したので、きちんとしたビジネスモデルがあったわけではありませんでした。当然売上はなかなか立たず、とても苦労しました。
ちょうどその頃はベンチャーブームで、成功した人がメディアによく出ていました。そういう人たちが書いた本を手当たり次第読んでいました。
その中でもジム・コリンズの「ビジョナリーカンパニー2」が私にとっては衝撃的でした。
会社を経営するにはこういった考え方をしないといけないのだと知りました。そこから少しずつ経営するとはどういうことかがわかってきたように思います。
そこに至るまでは、なんとか食べていくためにいろいろな仕事をしていました。
パチンコホールを経営するようになったのは、2011年のことです。
―なぜパチンコホールを経営しようと思われたのでしょうか?
経営が立ち行かなくなっているお店があるからやってみないか、と声をかけられたことです。
それまでユーザーとして遊んだこともほとんどなく、パチンコホールの経営を考えたこともありませんでした。ですが、話を聞き事業として興味を持ち、始めることにしました。
ほとんど0からのスタートではありましたが、知らないからこそ既成概念に捉われすぎない経営ができたのだと思います。実際に経営を開始し、予想よりも早く経営状態が安定していきました。
―経営状態がよくなっていった要因はどういったところにあるのでしょうか?
スタッフの意識が変わったということが大きかったです。
合理的に考えて、経営状態をよくさせるためにまず行うべきは、コストの削減なのかもしれません。もちろんそういったことも行いました。ですが、最も大切にしたのは現場に出てスタッフとコミュニケーションを取ることでした。非合理的とも思えるこの方法が、結果的にはよかったようです。
最初にスタッフを集めて、『私はこの店をよくするために必死になってやる。もしそれについて来られないという人は辞めてもかまわない。でも、もし残って必死に仕事に取り組んでくれるなら、私が責任を持つ』と話しました。
大げさではなく、本当に全員辞めたとしても弟と2人でなんとかするつもりでした。だから恐怖とか躊躇は一切なかったです。
正しいことをやれば正しく評価してもらえると考えているので、自分たちのやることに社員が納得してくれなければ、お客様も納得してくれるわけない。だから2人になったとしても、責任を持って正しいと思うことをやり続けていこうと考えていました。
―どれくらいのスタッフが残ったのですか?
半数くらいです。役職者はほとんど辞めてしまったので、正直業務の面ではしんどかったですね。そのときたまたま知人から連絡があり、コンサルとして手伝ってくれることになりました。その方がいなかったらこんなに早く業績はよくならなかったのではないかと思います。
そうして残ったスタッフと共に心機一転店舗を運営していくことになりました。
当時は私も弟も毎日現場に出て、「お客様に喜んでもらうことを第一に考えてほしい」と伝え続けていました。
皆の仕事に向き合う姿勢が変わっていくにつれ、経営状態もどんどんよくなっていきました。
―パチンコホールを経営されるにようになった2011年と比較して、御社の雰囲気にどのような変化を感じられますか?
「お客様のことを考えてほしい」と日々伝え続けてきたこともあり、人のために働くことが楽しいと思う人が増えてきました。
常に上を目指そうとする姿勢も根付いてきて、それが企業風土になりつつあります。
―これまで大変だったこともたくさんあるかと思うのですが、反対にうれしかったことで印象的なエピソードはありますか?
嬉しかったことや感動したことはたくさんあります。この年になって涙を流すこともありますよ。
パチンコホールの経営を始めて最初に感動したことは、目標を達成したことを社員と一緒に喜べたことですね。
ある日夜8時ごろに事務所で仕事をしていたら一般社員が走って入ってきて、「社長、達成しました!」と言ってくれたんです。そうやって一緒になって喜べるというのがうれしかったです。
最近だと、就活中のアルバイトが、企業へ面接に行った際に、アルバイトの話をしたのだそうです。今のアルバイト先では、社長はこんな考え方で、こんな理念があって、こういう風に仕事に取り組むように教えてもらっている、と話したら、すごくいい会社で働いているんですねと褒めてもらえたそうです。
本人もとてもうれしそうでしたが、それを聞いて私もとてもうれしかったです。一緒に働ける期間は残り少ないですが、一層やる気をだして働いてくれています。
―後編(9/16)へつづく
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