2016年度卒採用現状レポート

2016年度卒採用(以下16卒採用)が本格的に開始し、約4か月が過ぎました。
今期はナビオープンが3月に後ろ倒しとなり、採用活動が短期化。さらに、求人企業が増加していることから売手市場となり、採用活動は厳しくなることが予想されていました。
実際に、現状はどうなのか。今回は、東京6/18・大阪6/5・福岡6/24の3都市で開催したアミューズメント・ナレッジ・バンク(パック・エックス主催のパチンコホール企業の人事担当者が集まり、採用に関する情報共有を行う会)で話合われた内容元にまとめました。

アミューズメント・ナレッジ・バンク参加企業

(五十音順、敬称略 ※アンケート回答のみの企業も含む)
株式会社アクセス、株式会社アサヒディード、株式会社HOG、株式会社オアシスグループ、ガーデングループ、株式会社サンエイ、株式会社ジャパンニューアルファ、株式会社ジョイパック、株式会社セントラルカンパニー、株式会社ゾーン、株式会社第一物産、株式会社ダイナム、株式会社タツミコーポレーション、株式会社たまや、株式会社デ・マッセ、東栄商事株式会社、株式会社トランズ、日拓リアルエステート株式会社、株式会社パラッツォ、株式会社ビーコム、株式会社ひぐち、福神商事株式会社、べラジオコーポレーション株式会社、株式会社マルハン、株式会社安田屋、株式会社ワールド

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目次

1.16卒採用の現状
2.16卒採用の事例
3.まとめ

1.16卒採用の現状

アミューズメント・ナレッジ・バンクで話合われた内容、マイナビ・リクナビのデータを元にご紹介します。

●求人企業数の増加
16卒採用では、全業界で求人企業数が増加しているが、パチンコホール企業も同様に増加している。
パチンコホール企業のナビ掲載社数は、リクナビで前期比+2社、マイナビで前期比+17社となった。
また、今期は採用活動時期が短期化することを見越し、ナビオープン時に合わせて掲載を開始する企業も増えている。

rm企業数

●初任給平均がUP
大卒初任給の平均は、前期より+2,113円の239,913円となった。待遇をよりよくすることで、採用力を強めようとする企業が増えている。※リクナビ・マイナビ掲載企業の平均数値

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●ナビからのエントリー数減少
参加企業に現状のヒアリングを行ったところ、ほとんどの企業がナビからのエントリー数が減少したと答えた。これにはリクナビの一括エントリー機能がなくなったことも影響している。また、ナビオープン直後はよかったものの、時間の経過と共に数・質が低下していると答える企業も多かった。

エントリー数の増減(アミューズメント・ナレッジ・バンクでのヒアリング結果)

増減

●多くの企業が内定承諾人数0人
目標採用人数に対し、内定辞退も見込み、その倍の人数に内定を出すのが平均的である。
しかし現状では、目標採用人数よりも内定出し人数が少ないと答える企業が約半数となった。
内定承諾については、現状0人という企業も多かった。

●大手志向が高まり就活を続ける学生が増加
「学生の大手・安定志向が高まっている」と答える企業が多かった。
大手企業の選考が8月に行われることから、それまで就活を続けるという学生が多く、内定承諾にまで至らないケースが多いという。売手市場であることからも、内定を複数得ている学生も多い。

2.16卒採用の事例

アミューズメント・ナレッジ・バンクで話合われた様々な事例を紹介します。

●インターンシップ
会社説明会・選考が集中する3、4月よりも早期に活動を始めることで、学生との接触機会を持とうとする企業が増えたのも16卒の特徴のひとつだった。
・サマーインターンでは、実際に店舗のある土地に、店舗がなかったとしたらどのような活用をするかシミュレーションするゲームを実施。集まった学生の質がよかった。店舗の売上高等のデータも公表している。ゲーム自体も好評だが、データを公開すると学生の反応がいい。このインターンからの内定率が、ナビやほかの採用媒体よりもいい。

●エントリー
・マイナビのスカウトメール機能(自社にエントリーしていない学生に対してメールを配信できる。学生の氏名・学校名・自己PRを閲覧できる)を使用している。学生ひとりひとりに向けたメールを送っている。ある程度テンプレートは決まっているが、一部個別に変えている。たとえば、自己PRに野球について書かれてあれば、「野球で培ったチームワークを当社で活かしませんか?」など。エントリー率は2~3%と一斉配信のDMよりも高い。さらに今期はスカウトメール配信数を増やしたため、エントリー数は倍増した。

●会社説明会・選考
ナビからのエントリー数が減少傾向にあるため、会社説明会・選考会への参加率を高めるための施策に力を入れている企業が多かった。

会社説明会の日程・場所
・土日祝日の参加率がよかった。
・曜日毎に参加率を算出したところ、月金の夕方がよいことがわかった。
・主要駅周辺の会場の方が動員数がよい。以前は地方にある本社で行っていたが、主要駅周辺に変更したところ動員数が増加した。

電話での案内
・会社説明会予約学生に対し、事前に電話をすることで参加率が上昇した。18時以降の夜間の方がつながりやすい。

交通費支給
・会社説明会では実費相当をQuoカードで支給。事前に連絡が取れた学生にのみ支給していると伝えているので、事前連絡が取りやすい。参加率向上にもつながっている。
・地方に本社があるので、選考に来た学生には交通費を支給している。

●選考
・最終選考は食事会にしている。面接の場だけでは見えなかった学生の素の部分を知ることができ、本音(自社への志望度合など)を聞くこともできる。

●合説(合同企業説明会)
・ナビよりも合説からの会社説明会動員数が多いので、力をいれている。
・会社説明会に予約している学生の参加率が95%となった(昨対は74%)。その要因は、①合説では人事担当者に興味を持ってもらうことに時間を使っている、②若手の人事担当者が学生と近い立場で楽しく話をするようにしている、③単説の予約はその場で取るようにしており、1か月以内の日程で、2、3日候補を出して選ばせていることである。
・今期は座談会方式にし、現場の社員も2名入れている。学生が気軽に質問できるので、前期よりも会社説明会予約者数が増加した。
・合説の次のステップは選考にしている。合説当日は、入社1年目の新入社員が予約を取っている。「選考の練習に参加してみては?」など、まずは学生が気軽に参加できるようにしている。

●離脱防止

選考の短期化と接触回数の増加
スピードを速めて学生の離脱を防止する施策を行う企業が多かった。
一方で、それだけでは学生の入社意欲を高めるには不十分な場合も多いため、選考とは別に面談や店舗見学、懇親会などで接触を重ねるという企業も多かった。
・約2週間で1次、2次、最終の3回の選考を行う(最速で3/1に会った学生に、3/14に内定を出した)。
・合否の連絡はすぐに行い、歩留り率向上をはかっている。3次面接ではその場で合否の結果を伝えている。
・最終面接の連絡は翌営業には行っている。
・会社説明会と同じ日に選考を行う。
・合説に来た学生は会社説明会をとばしていきなり選考に参加させる。

SNSの活用
「LINEでの連絡を希望する学生が多い」など、メールよりもLINEが有効であると答える企業が多かった。ただし、希望者のみ・内定を承諾してからなど、タイミングには配慮が必要である。
・連絡はLINEで行っている。レスポンスがよい。
・内定者のグループを作って、定期的に連絡を取り合っている。簡単なアンケート(卒業旅行は行きますか?など)を取って、接触機会を作っている。
・LINEだと学生が気軽に連絡をくれる。
・あえてブログで情報を発信している。会社のことや人事担当者の個人的なことまで様々。それをみているかどうかで学生の志望度合がはかれるため。

店舗見学
多くの企業が店舗見学を実施しているということがわかった。選考中、内定後などタイミングは企業によって異なる。
・ホール内だけでなくバックヤードも見せている。金庫室・ホールコンピューターなども見せる。営業に不正はなく、整った環境で仕事をしているということを伝えると学生の反応がいい。
・駅まで車で迎えに行き、そこから一緒に店舗見学に行く。途中の車内で学生とコミュニケーションが取れる。本社、店舗、競合店もみせている。
・店舗を見せる前に、エリア情報や見てほしいポイント(スタッフの動きなど)、会社の特徴(設立から長いということは地域に愛されているということ)などを伝えている。
・店休日にバトル形式の遊技体験を行っている。店長に話をしてもらう時間も設けている。

内定通知
就活を続ける学生、内定を複数得る学生が増える中、「内定」に重みをもたせて離脱を防ごうとする動きが見られた。多くの企業が内定証書は手渡ししている。
・内定通知後は仲間になったということを伝えている。その後会社に来る場合は交通費を支給し、仲間であることを意識づけている。
・最終面接後1週間以内に電話で内定を伝える。その後内定者を数名本社に集めて社長から直接手渡しする。
・学生に会社に来てもらい、直接「内定」と伝えるようにしている。その際にこれまでその学生に会った社員全員が必ず挨拶するようにしている。店舗スタッフも場合によっては来てもらう。
・内定承諾書を「決意表明書」としている。学生には入社への決意が固まったら返信するようにと伝えている。
・内定式は全社員が集まる決起会で行っている。

学生の親へのフォロー
内定辞退の要因のひとつとなっている「親からの反対」をいかにフォローするかもパチンコホール企業にとっては重要な施策となっている。
・承諾書には親の承認欄があるので、きちんと自分で親に話し、承認を得るように伝えている。
・高卒者のみ人事担当者が親に電話をしている。大卒者は本人から話をさせている。
・「親御さんに反対されたら家まで行って説得する」と伝えている。
・社長か人事部長が親に連絡をしている。場合によっては実際に会うこともある。
・毎月発行している社内報を実家に送っている。
・「東大を卒業した僕がパチンコ屋に就職した理由」を実家に送っている。

懇親会、研修
・内定者との食事会に同席する社員は、学生と相性がよさそうな人を選んでいる。
・ビジネスマナー研修。
・社内イベント(BBQなど)へ参加させる。
・学生の地元にリクルーターが行って面談する。
・店舗運営のシミュレーションをグループワークとしてやっている。

その他
・人事担当者だけではフォローが追い付かないので、店舗スタッフにも協力してもらっている。
・本当に欲しい学生には経営幹部が面談するなど、優先度をつけてフォローしている。
・40代の女性がフォローを行っている。母親のような感じで相談しやすいらしい。
・内定まで多くて10回は接触している。志望度を高めた状態で最終面接を受けさせている。
・リクルーターに女性を入れたところ、女子学生の数が増えた。

3.まとめ

16卒採用は、採用活動の早期化・売り手市場により、厳しくなることが予想されていました。
そんな中、現在「採用活動は順調である」と答える企業には共通の特徴がみられました。
それは、「インターンシップの活用」と「2・3月の活動」です。
インターンシップは、ここ数年、参加学生数が増加傾向にあります。企業にとっては早期に学生と接触できるため、有効な施策として定着してきました。
また、2・3月は最も学生と接触できる期間です。この期間に、合同企業説明会への参加、会社説明会の開催など、できるだけ多くの学生と接触できるよう、計画を立て実行してきた企業は順調に採用活動を行っていることがわかりました。

8月には大手企業の選考が始まることもあり、内定辞退者が出てくる可能性もあります。
今の時期に必要なことは、内定辞退を防ぐためのフォローです。ポイントは、どのような手法なら自社の魅力が伝わるかです。
本レポートでも様々な手法をご紹介しましたが、自社に合った手法を見つける参考にして頂ければと思います。

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