本日は特別企画「人事TOPインタビュー後編」!
パック・エックス主催の「新卒採用スタートセミナー」(http://p.tl/urcO)で講師を務める大山観光グループの坂本課長に登場いただきました。
2001年新卒採用から責任者として採用活動に携わってこられた坂本課長。長年の経験から、とてもシンプルにわかりやすく、新卒採用を語ってくださいました。
後編では、新卒採用で会社がどう変わるか、障碍者雇用についてなどを語っていただきました。それではどうぞ!

人事TOPから学ぶvol.3
大山観光グループ 坂本 勝章総務課長 後編

坂本勝章氏
大山観光グループ 総務課長
1995年大山観光グループ入社。就業規則の作成、人材育成、障碍者雇用などを行いながら、2001年新卒採用からは採用責任者を務める。

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―現在は新卒採用の責任者をされているので、そちらのお話を伺いたいと思うのですが、まずは新卒1期生が入社したときの社内の反応はどうだったか覚えていらっしゃいますか?

無関心でしたね。なんで会社はこんなことやっているんだろうという感じです。まだスタッフがホールでタバコを吸っているような時代でしたからね。
新卒1期生として17名が入社しましたが、1年もたなかったです。世間のパチンコに対するイメージもよくなかったですし、家族からの反対もあったみたいです。それに耐えられなくて一気に辞めていきました。だから私自身も1期生の記憶があまりないんです。
2期生からは採用人数も半分程になりましたし、だいぶ辞めなくなりました。

―坂本さんはいつ頃から採用活動に関わるようになったんですか?

私が採用責任者となったのは6期生からです。1、2期生のときは常務、3~5期生のときは当時社内でカリスマ的な存在だった店長が行っていました。
私も3期生の頃から合説やセミナーには参加していました。いろいろみていく中で疑問点はたくさんあったので、これじゃだめだという思いはずっと持っていました。

―どういったところに疑問がありましたか?

一番気になっていたのは、「人」で採ろうとしすぎているところです。
常務やカリスマ店長をアピールポイントにして採用活動をしていました。でもそうするとその人たちがいなくなったときに困るのではないか。そうではなくて、会社の魅力で採れるような仕組みに変えなければいけないと思いました。
そこでパンフレットも作り直しました。この会社ではどんなことができるのか、新しい仕事も任せてもらえるという社風や、労働環境、取り組み内容を紹介しました。

―採用活動を始めてすぐは、経営者の魅力で採らざるを得ない企業もあると思うのですが、そこはどのようにお考えですか?

初期の段階では経営者の魅力で採っていいんだと思います。新卒を始めるときに重要なことは、目的を明確にすることです。次の世代を担う人材が欲しい、自分の右腕が欲しいなど、いろいろとあると思うんですよね。特に自分の右腕がほしいのであれば、自分が全面に出て、学生と向き合って、自分に共感してくれる人を採らないといけないと思います。

―新卒採用をしたいと思いながらも、「まだ3店舗だから・・・」といった規模を理由に躊躇する企業も多いと思いますが、それについてはどうですか?

出店する予定がないのであれば、新卒採用はしない方がいいと思います。でもいずれは出店していきたいだとか、パチンコ事業以外にも発展させていきたいといった構想があるのであれば、怖がらずに始めるべきですね。ちゃんと自分の意思を受け継ぐ人を育てないといけないと思います。
今回セミナーを開催するにあたって参加企業にアンケートを取ったのですが、新卒採用の最大のメリットは、「思想を受け継いでくれる人材を純粋培養できる」ということでした。
思想を継承する一番のメリットは団結する力が生まれることですね。たくさん人がいても同じ方向を向いていなければ集団の力は発揮できません。
共通言語があるからぶれないということだと思うんです。だから自分が想う会社をつくりたいのであれば、規模の大小に関わらず、始めるべきです。

やるかやらないか迷ったらやる。その方が会社のためにも、社員のためにもなるんです。なぜかというと、未来に向かって歩き出していることがスタッフにわかるからです。始めることで、スタッフの心も動かすんです。だから迷ったらやってほしい。たくさん採らなくていいんです。1、2名でもいいから自分の夢や想いを受け継いでくれる人を採る。そのためにも出会わないと見つからないです。経営者は決断しないといけない仕事ですよ。

―採用活動を始めても人が採れないという企業も多いですよね。

採れないのは軽い気持ちでやっているからです。なんでもそうですけど、やると決めたらやる。絶対採ると思っていたら採れるんです。新卒採用が絶対に必要だと思っていないから失敗するんです。絶対採るという信念があるなら、手法はいくらでもあるし、知恵を絞ってやると思うんですよ。
それからホールの経営と、人の採用を分けて考える人が多いんですよね。人・物・金全てが経営です。どれかだけやろうとするからうまくいかない。
例えば採用活動に会社が協力してくれないということもあると思うんですよ。そうすると採用担当者はいくらがんばっても評価されない。その人が辞めると、ついてきていた新卒も辞めちゃうんです。経営者が会社として採用活動をやるという姿勢を見せないとなかなか変わらないですね。

―障碍者雇用をされていますが、そのきっかけは企業のアピールポイントをつくる一環だったんでしょうか?

いえ、それまでも役員を中心にボランティアをやっていたんでが、社長がもっと積極的に世の中に貢献できることを考えなきゃいけないと言ったことがきっかけですね。

ボランティアでお世話になっていた支援(旧養護)学校の進路指導の先生に相談しながら進めていきました。

―障碍者雇用を始めるとなったときの社内の反応はどうでしたか?

社長は会社として全面的にやると言っていましたが、他の役員からの賛同は得られなかったです。でもトレーナー達が賛同してくれて、いいことだと思う、やりましょう!って言ってくれたんですよ。今も障碍者の面接をした後、トレーナーが講師となって研修を行います。トレーナーが大丈夫だと判断した障碍者を採用するようにしています。

―障碍者の方はどういうお仕事をされているんですか?

ホールのクリーンスタッフです。やっぱり問題はありますよ。いきなり後ろから大きい声で「失礼します!」と声をかけてしまったり、ぶつかったのに謝らなかったり。でも続けていくうちに現場のスタッフが自然に受け入れられるようになりました。何かあっても自分たちで何とかしようとするんですよね。

よく坂本は採用するだけで後はほったらかしだなと言われるんですよ。でも現場のスタッフたちが自ら障碍者を受け入れる体制をつくれるようにならないと私がいなくなった場合に困るじゃないですか。長く続けるためにも、採用後は現場に任せるようにしています。

―障碍者雇用することによって得られたことはなんですか?

大阪府の第1回ハートフル企業顕彰<生活の充実につながる活動>分野賞を頂いたのですが、それでがらっと変わりました。社長も役所に行くと「あの大山観光さんですね」と言われることがあったみたいです。
社員たちも自分たちの会社を誇りに思ってくれるようになりました。転職してくる社員の中にも自分の子供が障碍を持っているという方もいますよ。子供の世話ができるように、労働環境が整っているところで働きたいといって転職してくるんです。
お店には高齢者の方、障碍者の方も来られます。すばらしいサービスを提供しようとしている我々が差別感を持っていたらいけないですよね。お互いを一人の人間として尊重することができる人材を育成しないと、サービス業としては生き残れないです。障碍者雇用を始めて12年経ちましたが、彼らと出会ったことで自分が生かされているんだと感じるようになりました。

賞をいただいたことで、いろんなところに行くようになり、出会いの機会も増えていきました。
新卒採用やっていると毎年春はむちゃくちゃ忙しいんですよ。そういうときに障碍者雇用を通じて出会った人がメールをくださったり、本を送ってくださったりすることがあるんです。それにはいつも感動しますね。その方々と出会えたのも障碍者雇用を始めたからなんです。本当に出会いに感謝です。

―座右の銘はありますか?

「ザ・適当」です。そう言うといつも笑われるんですけどね。手を抜くことじゃないです。適切にやるけど完璧にやらないということです。ひとつを集中してはできないので、それぞれをそのときできる最善の方法でやって、ちょっとずつ前進させる。僕にはこれが向いてるんです。

―最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします。

経営者であれ、社員であれ、自分の意思で決めて欲しい。やりたかったらやればいいし、できなかったらできる方法を考えればいい。自分の人生を人に委ねてはいけないと思います。人生はそうしないとおもしろくないと思うし、責任のない物事ってなんのもおもしろさもないと思うんですよね。

―ありがとうございました!

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